帰りに駅から自転車に乗っていたら、あまりの気持ちよさにまわり道をして帰ろうと、遠回り。
毎日同じような時間に、同じ風景を見ながら何も感じないボーっと通る道。
この季節の匂い、乾いた空気のせいなのか、とても懐かしく、ノスタルジックな気分になってしまった。
金木犀の香りが私を覚醒させる。
たまらなく切ない気分。
いつもと同じ風景のはずが、匂いや空気で全く別のものに見えた。
しばらくぶりに、自分の中で眠っていた何かがパチンと目を覚ました。
久しぶりのこの感覚。
生きているという実感。
生きる喜び、生命力溢れる感情。
なんなんだこの根拠のない感情は。
季節の変わり目に感じる敏感な動物的本能か。
少しの遠回りが、自転車でかなりのふらり夜行散歩になってしまった。
匂いの記憶というものは素晴らしい。
そして、音の記憶も。
忘れていた何かを再び思い出し、我に返る。
一瞬にしてその時の感情や思いを蘇らせる。
このまま忘れていたら、私はとんでもない大人になってしまうような気がする。